コーヒー豆になるまで
コーヒーノキから収穫される赤い実「コーヒーチェリー」から、コーヒーの生豆になるまでを説明します。
コーヒーの赤い実は「コーヒーチェリー」と呼ばれています。
コーヒーの赤い果実
コーヒーノキには、ジャスミンのような白い花が咲きます。この花が落ちると、半年か8ヶ月くらいかけて少しずつ大きく成熟していきます。
アラビカ種は1.5~2cmくらい、カネフォラ種だとそれよりも小さめで収穫のタイミングとなります。緑の実から赤く成熟し、完熟すると果肉がやわらかくなります。
果肉を取り除くと薄い殻に包まれた生豆が現れます。この薄い殻がパーチメントです。パーチメントの表面にはミューシレージという、べたべたとした粘着成分が付着しています。
このコーヒーチェリーの果肉・ミューシレージ・パーチメントを取り除くとコーヒーの生豆が現れます。
パーチメントの殻の中の生豆には、向かい合う形で二つのコーヒー豆が入っています。この豆がフラットビーンズ、稀に二つではなく一粒で存在している豆がピーベリーです。
コーヒーチェリーの精選方法と味わいの違い
コーヒーチェリーを生豆にするまでの工程を精選と言います。その主な方法は、「ナチュラル」「ウォッシュト」「パルプドナチュラル」があります。味わいも少し異なりますので説明します。
ナチュラル(非水洗式)
まず、ナチュラルは、コーヒーチェリーのまま乾燥させ、そのまま一気に脱穀して生豆にする方法です。味わいとしては、果肉ごと乾燥させるので、果肉に含まれる糖分が増し、また発酵系の風味を持つものが多くコクも増します。
ウォッシュト(水洗式)
ウォッシュトは水洗式ともいわれ、コーヒーチェリーの果肉を専用の機械(パルパー)で削ぎ落とし、水を張った発酵槽に漬け込み、ミューシレージを分解し水洗します。その後乾燥させ、パーチメントを脱穀し、生豆にする方法です。
未熟豆や異物なども水洗で取り除かれるため、クリーンでスッキリとした味わいになります。ナチュラルと比べると、個性は控えめ。
パルプドナチュラル(ハニー製法)
パルプドナチュラルはウォッシュトとナチュラルの間のような方法で、コーヒーチェリーを機械で削ぎ落とし、ミューシレージがついたまま天日、または機械で乾燥させます。その後パーチメントを脱穀して、生豆にします。
ナチュラルとウォッシュトの中間の味わいに近くなります。甘みの増す精製方法として注目されています。
このように、豆の生産地・豆の種類に加え、精製方法によっても、味わいや風味に個性が出ます。
コーヒーを選ぶ際の参考にしてみてください。